アニメが面白いので、桜Trickに続いてこれにも手を出した。今回は通し読みなので作風とか全体的な点の感想を中心に書く。
概要
一言で言ってしまえばバカすぎるラブコメ。過去に読んだ作品だとガンガンオンラインで連載されていた「藤村くんメイツ」にかなり似ている。あと今井神先生のギャグ作品とも結構系統が近いと思う。
ただし系統が近いというだけで、それ系の肝であるギャグのノンストップぶりとキャラの強さは類を見ない。
ほとんどの回が端から端まで凄いボケと鋭いツッコミで凄まじいテンションが維持されているし、キャラの運用は近年の作品でもかなりとんでもない。キャラを乱造しまくってるくせにその大半がまともに運用される(要するに笑える言動を連発する)。一体どんな頭してたらこんな群像劇じみたキャラ運用ができるのか…?
タイトルの意味は謎。「Death-Flagで要するに死亡フラグ」って説をどっかで聞いたけど、本作タイトルに併記されてる英語表記が「D-FRAGMENTS」なので「ふらぐ」は「Flag」じゃないと思われる。D=Deathの真偽以前にデマって感じだ。
Fragments(欠片)はあまりに大量にいるキャラクターの比喩表現かな?肝心のDは分からないが…。Daily?Dark?Dirty?略すくらいだからFragmentsより長い単語かも。或いはAチャンネルのAみたいにまさかの特に意味ないパターンか。
構成
話の流れは「〇〇編」「△△編」って感じで一括りにできる数話規模のストーリーが展開しつつ、ゆっくりと作品独自の時間を刻んでいく基本タイプ。
時系列は1巻が2年目の4月頃で、最新8巻が6月下旬~7月上旬あたり。要するに8巻経っても1学期真っ盛りと、時間進行はかなりスローペース。
2年目で終わるか、それとも主人公風間の学年の卒業まで描くのかは分からないが、恐らくは前者かな?3年にもヒロイン級含め多数のキャラがいるし、2年の段階でやりたいこと全部やりそうな気が。新入生受験卒業と、3年じゃなきゃできないネタもあるにはあるが。まあどっちにしたってまだまだ続きそうだ。
また掲載誌のアライブは萌え系特化の雑誌っぽいので、女性キャラの主張がかなり強め。
サブキャラ以上の男キャラが沢山出てくるものの、彼らは色恋沙汰には極限まで関わらず、そういう矛先はほぼ全部主人公へ向く。要するにハーレム寄り。鉄板体制。
一方で、滅茶苦茶尖った作品なので短所も目立つ。
まず勢い命過ぎて、少しでもつまらない・分からないギャグが来ると盛大に転ぶ。今のところそういうのが少ないのが幸いだが、御多分にもれず段々1エピソードが長期戦になってきてるからちょっと心配かも。長いと要素が複雑になるからね。
それとサービスは弱い。新しい話は新キャラで回そうとする傾向が強いため、既存ヒロインの魅力を際立たせる機会が少ない。
特に仮部の女性陣はヤバい集団みたいな体裁のまま高尾船堀といったまともヒロインを迎えてしまって大惨事。芦花以外の部員も多かれ少なかれ風間への好意が汲み取れたり、一応全員少しずつ挽回はしてきているが…。兎も角部員にかぎらず既存ヒロインを中心に扱う話がもうちょっと増えてくれると有り難いところだ。
あとこれは短所って程でもないが、稀に入るシリアスはなんか生々しい。アニメでもやった十四楽団の仲直り→風間ブチ切れシーンとか、後にある島編の敵キャラの動機とか。どっちも誰かのおちゃらけたノリが真剣な怒りへの引き金になっていて、その温度差が見ててわりとキツい。
アニメ版と比べて
ノリはそんな変わらないけど、アニメ版だと飛ばしてるエピソードが結構ある様子。
特に水属性の娘は影響大。アニメ見てた時は水というか空気だろとか思ってたけど、原作を通して読むと別にそういうことはなかった。
原作だと水争奪戦って感じのアホな大会があって、当然彼女が中心人物になりキャラを濃くしていく。でもアニメはこれ丸々飛ばして次の話をラストエピソードにしそうな空気。
それと魔の十四楽団戦の切っ掛けになった、彼女が風間をキツく煽るシーンも改変で消滅してたようだ。これによって表立った出番が大体消滅している。
ここまで徹底して消すとは、アニメの監督は水弱点なのか?いやまあ煽りシーンはシリアス色がやけに強いし、水話はラストエピソードにするには締りがなさすぎるから致し方無いっちゃあない気もするんだけど…。
要するにアニメは構成が結構別物なので、原作に移る場合はアニメ全話見た後でもちゃんと1巻から目を通していく必要がある。初めにも言ったが、ノリ自体は変わらないのでアニメが楽しければ読むには全く問題ない。
あと本作に限らないが、ギャグのテンポの良さは実際に喋らない分漫画のほうが遥か上。フキダシ凄い。
今後の展開
というか、8巻時点で畳んでない要素?一気読みだから精度に欠けるが、思いつく限りで。
・福西(高尾の同学年の友達)
・百草(風間の幼なじみ)
・橋本
・次の遺跡
パッと思いつくのはこの辺り。幼なじみと遺跡はかなり根深い事になりそうだな。橋本も一応ゲーム部と関連が強い存在、かつ性別不明だから場合によっては。
少なくとも風呂敷畳み力に関しては期待を裏切らないと断言できる作品だから、今後が楽しみだ。