アニメ感想:怪盗ジョーカー 第26話(最終話)「長き夜の終わり」

 完結。児童向けなので粗自体は多く、特にラスボスは結局のところ正体も背景も特にない空っぽな悪党で、挙句何故か全編中で最も捻りのないトリックで死んだのはあれだけど、それを踏まえても結構いい作品だった。

 何で良かったかというのは物凄くはっきりしていて、シナリオの大筋が単純明快、かつ大人でも見るに耐える程度には真面目で、まとまった造りだったから。これは深夜アニメにどっぷりだと案外強烈な強み。深夜系作品は状況が難解になっちゃったり、そもそも収拾がまともに付かないケースも多いから、こういう奇麗にまとまった作品が眩しい。それと女の子が可愛い。

 ただ駄目だったところもはっきりあって、それは主要人物の活躍に大分ムラがあったこと。というかラスボスの件もあって、キャラ軽視はかなり顕著。
 ぶっちぎりで凄いのはクイーン。そりゃあコロコロで女の子出しゃばらせてもウケないし、そもそも1期の加入過程が彼女のメインエピソードで、既に燃え尽き状態だったのもあるんだろうけど、それを踏まえても2期目は扱いが極めてぞんざいでネタ一歩手前だった。あれはちょっと…。
 あと警察勢も本筋に対して蚊帳の外すぎたのががっかりだった。1回だけ警部のメイン回があったけど、他はもういてもいなくても…レベルの扱い。彼らも立場上プロフェッサーと敵対する理由は十分だったはずだし、何よりいいキャラしてたのに、話が進むほどいち勢力に数えられなくなっていったのは悲しい。あと婦警さん達のメイン回がなかったのも割とショック。どう見てもモブとかの域は越えてる連中だったんだけどな…。ここいらだけは本当に残念だった。