漫画感想:ムルシエラゴ 第4巻

 教団編完結。毎回背後でチラついている大掛かりな何かが実際に浮上する気配は未だにないが、相変わらずエピソードが2巻以内でコンパクトにまとまってるから今のところはダレない。この調子で続いて欲しいところだ。

小金井吉乃
 今回の首謀者。カリスマ・異常性タイプ。単体としては特に強くないが、品種改良して抗精神効果を異常に高めたバラを使って、信者たちを籠絡していた。

 暴行を受けた経験から弟以外の男を敵視、弟が女装するような作戦を使って犯人に復讐したが、その後は弟にも女を強要しだしてとんでもない宗教の勃興に行き着いたらしい。まあ、復讐とはいえ殺人行為をしているので、それに協力した弟も含めて元々根本がおかしい気がする。ある程度はなるべくしてなったのでは。

 彼女の死後の教団と、弟の顛末は不明。特に弟は定期投薬が必要な体と言われているし、そもそも廃人なので自活が不可能と見られるが、あの場は取り敢えず放置されたように描かれている。今回警察みたいなまともな勢力が介入してないし、どちらもとことん放ったらかしかも知れない。

黒湖の弱点
 今回はまんまと洗脳され、戦いが終わるまでそのままだったということで、描写上では初敗北ということに。
 そこから伺える彼女の弱点は、ハニートラップと五感系の攻撃。勿論致命的なのは前者。恐らく彼女自身が対策を取ることは生涯出来ないから、意外にも個としての限界はかなり近くに来ているのかもしれない。

千代
 これまでは話の合間合間にちょこちょこ出ている、程度の認識だったが、本来の立場は極道の娘で黒湖の彼女。これで戦闘能力が普通なわけがなかった。鉄の錠前をドスで切断し、強敵にぶつかるまで単独で無双している。…結局手に入ったのかどうかが不透明な状態にある、高周波ブレードの立場が無駄に危うくなった気がする。もしかして直線的な切断だったら普通の刃でも相当いけちゃう世界なのでは…。

野上さやか
 アリアンナ。直前に卒業したポリナ、志穂を追ってこの件の中核に首を突っ込んだ後、消息不明。ラストに虚ろな表情で、床に落ちている彼女の髪留めを見ているので、例の処刑器具で彼女が死んだことは察した風だが…。何かに発展するのかはやはり不明。当の首謀者は死んじゃってるし、当たる相手がいないんだよなあ。残った教団をどうこうするとか?

先生
 教団の背後にいた誰か。教団に必要だったものの殆どはこの人物が提供しており、一方で要求する対価は品種改良したバラを収めるだけだったという。正体は全くもって不明。今回の首謀者はすぐに死んでしまったため、情報もこれ以上出てこなかった。今回もまた何か大きな話につながっているのだろう、ということだけはハッキリ伝わってくる。

でも死ね
 抗精神に特化したバラがそこら中にある環境でこの怒りよう。どんなに超常的な代物でも、効果に限りはあるようだ。

白い髪のお客さん
 黒湖の留守宅に訪ねてきた人物。…本当にミユキちゃんっぽい?確かに読み返す限りだと、既存の人物の中では屋敷編の彼女がもっとも近い容姿をしている。
 あの屋敷は犯罪歴がある人物だけが招かれておらず、主要人物はほぼ殺人以上の何かをやらかしてる重罪人。そんな中で、彼女は万引きしか前科がないと述べたのが引っかかってはいたが…。現段階ではそこからも要件は想像付かないので、どの道詳細は謎なまま。

凛子のその後
 前回のシリアルキラーちゃん。容態回復後、父の死をなんとなく察し、殺人鬼の血を絶やすために後を追おうとしたが、黒湖に説得される。これによって正式に黒湖の元へ。
 表向きは至極真面目な流れだが、勿論黒湖の胸の内には幼女を囲い込もうという意識しかない。しかもその目はこの場の凛子ではなく、4~5年後(食べごろ)の凛子を見ていた。とてもひどい。