いい感じのアクションシューティングを見かけたのでプレイした。クリアまでのプレイ時間は難易度ノーマルで13時間。
下の感想自体はシステム面の話題ばっかりだが、どちらかと言うとシナリオや雰囲気がかなり重視されたゲーム。グラフィックや音へのこだわりが凄かった。
スクリーンショット
雑感
世界観
- プレイ前は正直とっつきにくそうだと思った。無機物っぽいキャラたちとか、モノトーン主体の色使いとか、全面的に独特。
しかし展開やキャラの会話自体はかなり馴染みやすいように作らえており、遊び始めたらすんなり入り込める内容で安心。
これ絡みで唯一実際にとっつきにくい点として、メニューのUIが白すぎて見づらいというのがあったが、まあ慣れでなんとかなる範囲の話。
グラフィックは作者の自作、主人公のピクセルはアクション関連でボイス(フリー音源ではなく声優の新録)があり、BGMは一部有料素材を使っているなど、演出面の気合はフリゲの域を相当超えている。肝心のクオリティもしっかり気合に見合ったものになっているので、雰囲気重視の人には非常に満足できると思う。
ゲームシステム
カテゴリ的には多方向スクロールシューティングとアクションRPGに属する。射撃技主体の見下ろしアクションRPG。
このゲーム、ベースはウディタなのだが、構成ファイルだとか、ゲーム本編外の特徴を見ないとわからないレベルで作り込まれている。システム面もまた作者の自作らしいが、凄まじいものだ。
難易度はやや高めだが、レベルアップで貰えるポイントを使ってステータスを上げたり、回復アイテムを買い込むなどの積み込みが可能になっているため、アクション要素に苦手な所があってもRPG要素でなんとかできるようになっている。極端な話、耐久系ステータスをガチガチに固めてゴリ押しもあり。
また、本作はゲームオーバーになっても死んだマップからコンティニュー可能なので、多少セーブを怠っても大きなロールバックを被ることもない。
クロックアップ
- 本作のシステム面で一番特徴的なシステム。発動すると無敵になり、その状態で敵や敵弾に接触すると周囲の時間の流れがゆっくりになる。ゆっくりになっている間は回避が容易なだけではなく、すべての攻撃の威力が上がるため、猛攻撃を仕掛けるチャンスでもある。
攻撃を受けないとダメ、というのが独特。意図的に発動させるとなると大抵は敵に体当たりすることになるため、シューティング系でありながらインファイトを多用することになる。
キャラのサイズが大きい関係で視界が狭め、また入り組んだ地形が多く、自機も独特の挙動(若干滑る、壁に当たるとバウンドする)のため真っ当な回避は難しく作ってあるので、そのあたりの性質とは上手く噛み合っているシステムだと思う。
しかし、ちょっと立ち位置が残念なことになっている気がした。ゲームが進むと敵の硬さと攻撃がどんどん激しくなるため、その両方の打開策となるクロックアップは基本技間隔で連発せざるを得ない。それも1回の発動では雑魚敵相手でも決着がつかないことが多くなるので、爽快感の類はあんまりない。
発動コストを非常に低く設定してあるので、連続発動を強いられる点は全然問題ないのだが、裏を返せば安売りせざるを得ない構図になっているような。もっとこのあたりのバランスが変われば、より面白い体験が出来た気がする。ちょっと惜しい。
スキルツリー
- 育成システム。レベルアップで得たポイントでスキルギア(パネル)を開放することでパラメータが上がる。開放したパネルに隣接したパネルは内容が判明し、新たに開放できるようになる。
また、ゲームを進めると開放状態をリセットしてポイントを払い戻すことも可能になる。リセットしてもパネルの配置は同じなので、より無駄のない形に開放しなおして、大幅なパワーアップを図ることができる。こういうやりくりが出来るのは結構楽しい。
ちなみにスキル配置はセーブデータごとにランダムっぽいので、上記スクショはあてにならないだろう…多分。
総評
自作システムで若干辛口のアクションシューティングだが、プレイ技術を上げる以外でも戦闘を有利にする手段が豊富にあったり、独特過ぎる世界観でありながらとっつきやすく展開するなど、冒険しつつも地に足ついた作りになっているのが非常に良かった。
オリジナリティあふれるフリゲや、しっかり遊べるアクションRPGがやりたいならおすすめ。