「ムルムル遺伝症」等のフリーゲームをリリースしている黒木静氏の新作RPG「ALICE HOLE」。全エンド+実績コンプリートまでプレイした。
スクリーンショット
プレイ時間内訳
- 初回ノーマルエンドまで…30時間
- ノーマル確定直前のセーブを使いまわしてエンディング分岐2つ目…2時間
- エンディング分岐以外の実績埋め…3時間
- 周回プレイで分岐3つ目+それによる実績コンプリート…9時間
全体でおよそ44時間。敵が強めなのと、探索が一本道でないため、初回は戦闘でも探索でも苦戦しがちで結構かかった。
ただ周回特典はそれなりに強く、また情報アドバンテージもかなり大きく作用するので、2周目以降はサクサク進める。
雑感
基本は探索とハクスラ
序盤からかなり自由に行き先を選べるマップを巡り、手近な敵や宝箱から戦力を増強していき、より遠い地点、より強い敵に挑んでいくことに重きをおかれた造り。
シナリオもあるというか、寧ろプレイ終盤になると完全にこちらがプレイ体験の中心になるのだが、序盤～中盤までは、道中で手に入る書物などから情報を断片的に得られる程度で、影の薄い期間は長い。
もっと狭いカテゴライズで言うと「ネフェイスト」がそのものズバリらしい。ネフェで調べたら極めて近い構成のゲームが出てきてまあ納得。作り手遊び手共にフォロワーが多いカテゴリになっているようで、この走りで本作を目に留めた人も結構いる様子。
出だしとかは辛いかも。しかし
自由度高めゲーの宿命として、序盤でダレる可能性はそこそこ高い。こちらが弱くプレイ知識もなく、行動範囲が狭い序盤ほど状況は進展しづらく、同じような場所で同じような敵を延々狩る事態に陥りがち。
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- あと本作の敵シンボルは倒すと基本復活しないのだが、その辺の関係から敵の設置が過剰で、非常に邪魔。シンボルエンカウントのメリットの一つである戦闘回避性がかなり阻害されている。
逃走成功率は高めなので、非戦闘進行自体は簡単だが、敵を狩らないととにかく通行が不便。そして周回プレイだと大体狩らないプレイになるから大変。前の周の知識を活かせば、探索を最小の手間で済ませることで大分緩和できるけど、忘れていたら辛いことになる。
しかしシナリオは引っ張るだけあって、満足度は高い。オチに対する最大の布石の出し方も斬新で、かつ開示するタイミングが非常に絶妙で驚かされた（若干賭けになる出し方だが）。筆者はゲーム性ではなくシナリオ目当てでのプレイだが、このためにコンプまでやり切る価値は確実にあった。
それとタイムアタックや縛り系のプレイにかなり寛容なゲーム性なので、慣れたらそちらで楽しめるプレイヤーも結構いると思う。
総評
しんどいところはあるが、乗り越えればシナリオでもやりこみでも大いに楽しめる。じっくりと遊ぶ余裕があるか、ガシガシ戦闘したい人にはおすすめ。過去作やこのジャンルが好きならもっとおすすめ。
本作のシナリオは現状でまとまっており、アップデートも一旦落ち着いているが、回収されていない謎が幾つか存在している。そこに触れる追加シナリオを夏頃に実装予定だという。また、アリスの展開後になる感じだが別ゲーの制作企画も存在している様子。引き続き今後が楽しみだ。
ちなみに、作者の動向が一番掴みやすいのはTwitterなので、気になる場合はこちらをフォローしておくといい。
黒木静(@kuroki_sizuka)さん | Twitter
ネタバレ関連の話
一部楽曲素材元
気に入った曲を素材提供元から漁るのはフリゲの醍醐味の一つ。閉鎖済みのサイトが大半だったが、魔王魂に重要BGMが多く存在する構成だったので結構見つけられた。
ゲームオーバー
【魔王魂公式】フリーBGM素材 ファミコン風8bit 20 ぜんめつ
通常戦闘1
【魔王魂公式】フリーBGM素材 ファミコン風09『ムーンイクラマン』
通常戦闘2
【魔王魂公式】フリーBGM素材 ファミコン風11『ウォーターイカマン』
高位ボス戦
【魔王魂公式】フリーBGM素材 ファミコン風10『ファイアーマグロマン』
？？？戦
？？？戦
【魔王魂公式】フリーBGM素材8bit24『ZinniA』ファミコン版
例のシーン
【魔王魂公式】フリーBGM素材8bit23『アフレラ』ファミコン版
過去作との関係性
うーん、分かりそうで分からない。ムルムルと関連しているのは間違いないのだが…。
- 「フランシスカ」並びに彼女の心象たちはムルムルで登場しており、ムルムルのフランシスカは「フラン」呼びが基本になっている点以外は全員おおよそ同じキャラクター性。
また「ALICE HOLE」でフランシスカが使用している技能は、ムルムル終盤で習得する高位の技能が多い。必殺技「スターブラスター」はその極地。 - アリスの作中世界の状況はムルムルとかけ離れた状態。同じ世界だと仮定しても、双方で大幅な時間の開きがある。
- 「メルヘンたん」「フレイアたん」はムルムルにも登場する。「かつて誰かと共に戦っていた心象」と説明されている。
ただしムルムルの方は一介の雑魚敵だったりして、同一存在と言うよりは残留思念的なあれに感じる。
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- 何かを懐かしむ台詞。
フランシスカ周りを見るとムルムルより遠い未来な印象だが、アリス周りを見ると過去っぽいところもある。しかしフランシスカがムルムルのフランと同一人物かを決定づけるには僅かに材料が欠けるし、どの箇所も中々確定しない。
しかしムルムルの方の記憶が薄れすぎてるから、もっとちゃんと考えるならプレイし直さないといけないな。
