ゲーム感想:ゼルダの伝説 神々のトライフォース2

ゼルダの伝説 神々のトライフォース2ゼルダの伝説 神々のトライフォース2

 クリアした。所要プレイ時間は思い出きろく帳計測で25時間程度。何故か各セーブファイルには計測が無く、かつ人に本体ごと貸したためあまり正確なプレイ時間ではない。まあ最近やった中じゃ確実に短い部類。
 ただクリア後はハードモードが遊べ、単に死にやすくなるだけではなくシナリオ面の描写が増えるなどの特典もある。構成がいつも以上に周回向けだし、やりこみ志向の人なら30時間以上行けるんじゃないかな。

 これだけは予め言っておくけど、本作のサブタイトルは購入の判断材料として考慮しなくていい。シナリオなどを楽しむ前提として神々のトライフォース1を遊んでおく必要性は無いし、逆に1をやってたら焼き直し感があってつまらないみたいなこともないということ。

 以下感想。システム面重視。

システム面の感想

壁の中に入る

 これは凄く面白かった。謎解きのアプローチが物凄く多彩になっている。あと一部のボス戦でも使うのだが、これがまた上手いように取り入れられており、戦ってて楽しかった。出入りが一瞬でテンポの問題が皆無だったのも大きい。
 プレイ前は行ける範囲が増える分複雑になることを心配したが、そういう点を避ける配慮はちゃんとしてあった。不要なところには基本的に入れない。

 余談だが、壁画のリンクは風のタクトのオープニングで語られる「時の勇者伝説(時のオカリナ大人時代の後日譚)」に描かれているリンクとほぼ同じデザインになっている。もっと正確に言えば、風のタクトの歴史画とユガの画風が同じということか。風のタクト自体は本作と別の分岐を歩んだ世界なので、あくまで小ネタ程度の話だと思うが。

アイテムレンタル

 今回のゼルダは一本道ではなく、好きにアイテムを借りて好きにダンジョンを攻略することが出来る。
 実際に遊んだ所、以下の様な特色が見られた。

・タネが分かっても後々まで攻略できないフィールドが少なく、ハートのかけらなどの収集品を早い段階で集められる
・ダンジョンの仕掛けの複雑さに一定の限度がある(未指定のアイテムは未所持と想定した作りになっているため)
・ダンジョン側が未指定のアイテムを持ち込むと解法が増やせる。難易度を下げたり、早解きなんかも出来てしまう

 総じて難易度や所要時間の緩和につながっている。行ける場所が広がりすぎて混乱するんじゃないかと思うかもしれないがそうでもない。レンタルじゃなくて特定のイベントやダンジョンを攻略しないと得られないアイテムもあるし、次の目的地候補はマップ上で明確に記されるので、迷うことはない。
 まあ特に賛否が分かれるとしたら2つ目かな。部屋一つに何時間も詰まる様な事態は直面したくない私には好感触だったが、昔みたいな歯ごたえを期待する人には拍子抜けの要素となるかもしれない。

 何気に3つ目の要素はかなり面白い。単にヌルゲーになるわけじゃなくて、「ここでこれ使ったらすげー楽じゃないか?」っていう新たなひらめきになっていたと思う。

 ただ、一本道だったらもっとメインシナリオでいろんなキャラ動かせたんじゃないかって思うところはあったかな。まあ見た感じいつもとそんな変わらなかったけど。

がんばりゲージ

 従来のアイテムは、矢を射るなら矢を1本、杖から魔法を出すなら魔力を一定量、といった現実的な消費が発生していた。それらが今作では「がんばりゲージ」に一本化されている。
 言い換えるなら「行動力」といったところか。今回はアイテムを使うと一貫してこのゲージだけを消費する。そしてこのゲージは時間経過で回復する。

 結果的に、補給の手間を簡略化することに成功している。矢とかバクダンが足りなくなったら草やツボを片っ端からふっ飛ばして補給…なんて手間が完全に排除された。今作で補給する必要があるのはハートとルピーとビンの中身くらい。

 従来のゼルダって状態管理がかなり複雑だったんだなと実感したポイント。まあ実際にモノが足りなくなる事態はそんな無いんだけど、少しでも消費したら結構神経質にフルストックしてたと思う。
 その分今回の変更は単純に凄く遊びやすくなったし、あらゆるアイテムを気兼ねなく戦術に取り入れることが出来るという新しい面白さも引き出している。バクダンばっかで戦うボンバーマンプレイとかも結構行けると思う。今回のバクダンは敵にぶつけると即爆発で地味に戦闘力上がってるし。

総評

 新しい試みはいずれも筆者好みだったため、終始楽しくプレイ出来てしまった。シリーズ上で一番ハマったかもしれない、いや言い過ぎか。だが一番ダレなかったのは絶対に間違いない。
 アクションアイテムの入手については従来型の方が好きって人も多いだろうが、もう何作かやってみてもいい気がするなあ。ゲージ制度は本気で採用しちゃっても構わんと思う。これはそれくらい好き。

 ここまでシステム面の話だけだったが、ストーリーも結構面白かった。ラストの真相の数々はわりとびっくり。アイリンちゃんはもっと本人出しても良かったと思う。兵士長とアスファルは迂闊な装備で戦った者同士で気が合いそう。そうでもないか。
 あとBGMも良好。デスマウンテンとミルクバーとラストダンジョンが好き。旧作BGMのアレンジも中々のものだった。

 とにかく心配するような内容ではないので、シリーズファンにはぜひ遊んでいただきたい。
 また初ゼルダにも非常に適していると思う。難易度は歴代でもトップクラスで優しい部類だし、事前に1のシナリオを把握しておく必要も全く無い。

 ちなみに筆者のクリア時のトータル獲得ルピーは21068ルピーで、ゲームオーバー回数は2回だった。ゲームオーバーの内訳は初期ライフの段階で感電する敵に舐めてかかったら予想以上に痛くて死亡したのと、ラスダンにも強化アイテムがあるのに気付かずラスボスの超火力に沈んだ。後者はそのまま気づかず再挑戦してクリアまで行った。