漫画感想:夢喰いメリー 第13巻

夢の叶え方
 前回の徒競走で見せられた異常事態を今回で種明かし。夢魔を強引に始末すると、取り憑かれそうだった人間に悪影響が出るみたいな性質が確かあったわけだが、そういう損傷を夢の力で修復し元より強固にすると、逆に異常な好影響が出る…みたいな理屈だったらしい。

 不気味ではあるが決定的な害があるとも言い切れず、こんなことして何のメリットが…?と思ったが、この現象は見方を変えると、幻界の要素が現界に滲み出ているとも受け取れる。メリー以外の夢魔が現界で目撃されたり、ジョンたちも現界での調子が不自然にいいとか言ってるし、そういうことだろう。

白儀の目的
 と思ったら白儀の最終目的は双方の世界を混ぜることじゃないらしい。というか既に混ざっているらしい。メリーが夢魔として来ているのがその証拠。でも現状より更に深く混ぜることは目的に必要な過程ではありそうだな。

 じゃあ目的は?…メリーちゃんと恋したいって……そんな誰だってしたそうなことだけ言われても…。まあ当然浅からぬ縁が双方、ひょっとすると夢路も巻き込んで存在するようなので、その点と今やってる行動の意味が次巻でしっかり語られることに期待しておこう。

レンの家庭
 両親は医者で、父の方は病院の院長の様子だが、家族と冷えきっている典型的な仕事人間おじさん。白儀がレンの夢魔を瞬殺し、前述の修復を施したことで、皮肉にもその家庭環境は大きく改善された。…こんな終盤に鳴り物入りで登場した辺りからそんな気配は少なからずあったものの、結局噛ませにされてしまったか。
 ちなみに髪型のセンスは親子全員同じ。元々、仲をほぐそうとすれば案外なんとかなっていたのかも?