ゲーム感想・攻略:片道勇者プラス

片道勇者プラス

概要

 かつてフリーソフトとして登場した片道勇者のシェアウェア版。価格は購入経路依存で500円か700円。
 本ゲームはフリー版でも十二分にいちゲームとして成立していたが、大量の追加要素でより遊び込めるようになっている。

主な特徴

 目に止まったところだけ。この記事の執筆時点では有料ベータ段階と銘打たれているため、今後もう少し増える可能性はある。
・クエストの追加。魔王討伐以外の行為を目標としたシナリオで遊べる。最高難易度のクエストはかなり難しめ。
・スタート地点の城をカスタムする要素の追加。前述のクエストを受けるためのキャラを設置したり、店を置くなどして有利なスタートが切れるように。
・仲間キャラが数名追加。1人は同作者の他作品にも同一人物として複数回登場しているキャラなんだとか。
・モンスターなどのNPCを仲間にすることが可能に。通常の仲間とは異なりプレイヤーとは別のマスで行動する。
・理騎士、忍者、観光客の3クラスが追加。観光客は最弱な代わりに独自のクリア方法がある特殊クラス。
・アイテムの追加。壁をほぼ一撃で壊せる武器など、影響の大きいアイテムも結構出てくる。
・フリー版のセーブを引き継ぎ可能。道中のセーブ以外はそっくり引き継げる。ただし次元倉庫内の装備は新品にされる。
・UIやシステム面の改良。
・その他バランス調整。

総評

 ゲーム自体は確実に価格以上の出来、いやプラスからの追加分だけに絞って(要するにDLCとして)見てもその評価は動かない…のだが、フリー版の存在が大きなネック。あれの段階で十分完成しており、既にいくらでも遊べるゲームだったため、そこにプレイの幅が上乗せされたと言われてもお得感が得られにくいのが現実。
 正直この点で購入に躊躇したし、踏ん切りつけて買った直後も正直ちょっと失敗感があった。でもその後は流石というか、何だかんだ何度もプレイする気にさせられるため、結局は真っ当にプレイを重ねられている。新要素もいつやり尽くすかまだ見えないところ。

 フリー版を遊び倒した上で存在を知った人は、周囲の評判や自身の熱中度を少し鑑みたほうがいいかもしれない。無論断じて高額ではないのだけれど、同価格帯の未プレイ同人ゲームとかを買ったほうがもっと楽しめる可能性もあるだろうし。フリー版が未プレイでローグ系が好きなら勢いで買っても問題なく楽しめると思う。
 ちなみにオンライン要素はしっかり人がいるので、その点の心配はなし。

攻略メモ

 同じく目に止まったところをざっくりと。体感レベルであって詳しい検証はしていない上、何よりベータ版段階での内容なので注意。現在は0.947基準の記載。

特徴評価

 フリー版の時に書いたのをちょっと改定。

おすすめ

荷物整理術
 不動の優秀スキル。プラスの難易度は無印より増加傾向にあるので、アイテムを多く持てるこれは益々重要になったイメージ。

必殺の達人
 変わらず影響大。やや弱体化が目立つものの、それでも十分強力な部類と思われる。

条件によっては

筋力 敏捷 生命 意志 生存力
 基本的にはレベルアップで伸ばせるため、長期的なプレイにする予定なら積極的に取る意味は薄い。しかし最序盤のステータスは少し違うだけもかなり変わるので、短期決着予定のプレイなら効果が高い。特に筋力や敏捷は影響がでかいと思う。
 また、知力以外のステータスを要する技習得も新登場したので、それらの習得機会を早期に狙える場合は一気に有用になる。

魅力
 仲間目的ならほぼ必須。スタート地点で仲間と遭遇するキャンペーン世界では勿論だが、後の出会いでもレベルアップや女神像で予め勧誘可能な数値を確保しておくのは結構難しい。特に女神像は要求できるボーナスが像ごとでランダムになったのでほぼ無理と思っていいレベル。

知力
 早期のフォース習得が目的なら必要になってくる。

盗賊の技
 道具が複数入った宝箱を力技で開けるとたまに内容物が1つ破損するようになったため、それを避けられる分有用度がちょっとアップ。ただし破損はそんな高確率ではないので、別に力技主体でいいという印象は変わらず。やはりパンティの早期攻略向けか。

盾の達人
 盾は弓矢や腕輪と共存できないので、クラスと戦闘スタイルによりけり。盾自体が強いので有用な能力ではある。

さらば貯金箱
 スタート時から資金があった方がいいケースでは必須。通常は不要というか、所持金が多いほど山賊の襲撃リスクが上がったそうなので危ないかも。

格闘のプロ
 相変わらず全裸勇者に極振りすると並の難易度なら無双可能。装備のやりくりがほぼ不要で戦力管理が楽なのも魅力。

街の鑑定屋
 強い装備が沢山出るキャンペーン世界向け。マイナス効果の腕輪などハズレ系装備も出てきたようなので、他の世界でも若干は強くなったか。

装備の達人
 次元倉庫の装備に依存したい時用。通常はそこまで要るかなという印象。整理術で装備を沢山持った方がいいかも。

金貨狩り
 勇者に極振りして悪人寄りのプレイ(金貨持ちを例外なく倒す)で進むとそこそこ稼げる。稼ぎプレイ以外ではあんまり出番無いかも。ダンジョンを巡れる強さがあるなら次元回廊ルートでも不要。

登山マスター 水泳マスター
 大幅な調整が入ったスキル。登山は最小ターンが2ターンまでになり弱体化、またプラスから黒い険しい山(登山マスター持ちでも超キツい山)が実装され、マップ両端の山がこれになったため有用度が決定的に激減。結果おすすめとまでは言いかねるレベルに。
 一方で水泳は水路がかなりの頻出地形に。水路付きダンジョンや孤島の町なども登場し、有用度が大幅に上がった。こっちは微妙と言えなくなった。
 結果として両者はおおよそ同程度、中堅どころの有用度に。ダンジョンなどを多く巡りたい場合は水泳を取るのもありかも。登山もあれば損はしないレベルではある。

 ちなみに狩人と詩人は登山、海賊は水泳、冒険者と忍者と観光客は両方がレベルアップで伸びるので、彼らは該当特徴を取る意義がない。

頼れるペット
 相変わらず特徴説明欄で既に弱い呼ばわりの矛盾スキル。だが消費魅力1というトドメのダメ押しがプラスでは0に変更され、一気に手軽なスキルに。
 短期決着プレイでの魔王の結界割り要員など、何でもいいから手数が欲しい時には十分ありになったと思う。

微妙

呼吸法 炎の血液
 元気度は草とかで結構食いつなげちゃうし、何より0でも死ぬわけじゃないから他のローグ系と比べると軽い。
 火は恐ろしいがそんなに浴びる機会がない。鎧など他の対策も元々整っているし、ちょっとパッとしない。
 どちらも効果はハッキリしてるしそこそこ強いが、特徴枠で対策するほどの事案じゃないかなというのが正直な感想。全振りして特殊なプレイとかがしたい時向けだろうか。

あの曲再生 マイナス特徴三種
 語るまでもない。普通の攻略目的なら出番なし。でも「あの曲」の選曲内容はかなりいいので、一度ひと通り聴いておくのは悪くない。

追加クエスト

 軽いメモだけ。検証自体もクエスト受諾可能な最低難易度のもの。基本的には勇者で仲間がすぐ出る世界に行くと簡単。

忍者

 やさしいクエスト。悪の忍者達が4回攻めてくるので、それに対応するだけ。お供付きで攻めてくるものの、ボス自体の総合力は魔王とそこまで変わらない。忍者のくせに特殊な技も使ってこない様子。ただしラスボスはお供3人と四方から攻めてくるため、覚醒で囲い込みから抜け出すなどの対策が尽きているとかなり危険。
 尚、目的が忍者討伐であるため、闇に飲ませてやり過ごした場合はシナリオが進行しないので注意。

理騎士

 普通のクエスト。石像を調べる度に暗黒騎士達が襲ってくる。付近に居る従者に話しかけると回復が可能。

 ラスボスはライフが膨大で、そのままだと死力を尽くして攻撃しても倒しきるのは厳しい。
 その弱点として、闇に飲ませると大ダメージを与えられるという性質があるので、触手の草など動きを止められるアイテムを事前に用意して使ったり、地形に引っかけて闇に飲ませること。3回も飲ませればやや硬いボス程度のライフになる。
 また他の注意点として、雷の理術攻撃も放ってくる。射程が長めなので移動での回避は困難。防御系の対策があるといいかも。

観光客

 厳しいクエスト。ボス自体は弱いが、1000kmくらいの長旅になるので道中での死亡リスクが高い。

 発生イベントは始めの3回とラストでシチュエーションが少々異なる。
 最初に3回出てくる紫の箱は調べると悪の冒険家が襲ってくる。お供が影縛りで足止めし、ボスがチャージ攻撃で殴るという戦術。物理系の防御策があると良い。また、普通に逃げても簡単に撒ける。廃墟地形のお陰で引っ掛けるのは結構簡単。
 最後の金の箱はドラゴンが3体ほどで護衛している。普通の強さな上、囲まれたりもしないので、順調に強くなっていれば無策でも勝てる。金の箱さえ調べてしまえば即クリアなので通り抜けるのもありだが、これまでの廃墟よりも壁の隙間が小さいため難しい。

次元回廊

 人類には早過ぎるクエスト。観光客クエスト以上の長丁場で、ラストは侵食地帯より危険な次元回廊を延々歩かされる。受諾可能な難易度も厳しい以上で固定。またこのクエストのみ魔王撃破ルートが受諾時点で潰えず、回廊突入まで普通に襲撃してくるのも地味に鬱陶しい。

 次元回廊突入には計7枚の次元の金貨が必要になるので、ダンジョンを積極的に攻略して稼ぐ必要がある。その辺はやはり勇者などが適任。素の難易度が高い以上、「金貨狩り」で特徴枠を消費してしまうのはあまりおすすめ出来ない。効果もそこまであるわけではないし。

 勇者の「魔物は友達」や洗脳の薬など、モンスターを仲間にする手段がある場合は、回廊内のモンスターを手懐けるとかなり楽になるかも。+値が高いものや、強力な接頭辞が付いたものが多く出るので。
 また、このルートのボスは魔王と同じく結界を張っているので、ヴィクター王は特に活躍するかも。イベント進行で連続攻撃持ちになるフリーダ王女も有効か。