小説感想:スーパーミラクルかくれんぼ!! 四天王だよ!全員集合!!

スーパーミラクルかくれんぼ!! 四天王だよ!全員集合!! (集英社みらい文庫)スーパーミラクルかくれんぼ!! 四天王だよ!全員集合!! (集英社みらい文庫)

 スーパーミラクルかくれんぼシリーズ2巻目。
 一応冒頭に前巻のあらすじがあるけど、細かい設定やサブキャラはあまりフォローされてないので読むなら無難に1巻からを推奨。1巻が面白かった人なら2巻もおすすめ。
 以下ネタバレ込みの感想。


概要
 時系列は1巻の少し後。話の中核は前巻で黒子となった凛の一つ上の段位である四天王と、主要人物の掘り下げや技能面での成長描写で構成されている。
 透明の幼馴染の中学生っ娘、雀野ヒナも出てきてラブコメ色も前より強くなった。嬉しい。あとヒナはかなり可愛い。カラーイラストが無いのが残念。

 かくれんぼについてだが、凛が高位段者になったためまともな対戦カードが限られてきたのもあって、ぶっちゃけこれ自体は大分控えめになっている。瞬間的な潜伏だとかアクションの色付けがメイン。でもその分話の運びに無理が減っているのでこの程度でいいと思う。
 更にこの辺抜きにしても根本的な話自体、あとついでにおまけ4コマまで前より小慣れてきているので満足度は高い。素直に言うと面白かった。

キャラクター
 上でも述べたが今回は掘り下げがそこそこ多い。と言ってもメイン2人は1巻で大体語られているからそんなでもないのだが。凛は家族構成がより具体的に、透明はヒナとの関係が洗い出された程度。あとお互い両思いなのも一層はっきりしてくるが、これはまあ分かりきってたし。

 一番掘り下げ感が強かったのは雨音。自宅やら嗜好やら基本的な要素が大半だが、その内容がかなり変だったり思い切っているので急にキャラが濃くなった。特に茂呂から貰ったプレゼントを普通にゴミ箱にブチ込んでたのは笑った。
 あと雨音の台詞演出って全部丸括弧括りだから念話みたいだなーって思ってたけど、作中でも実際にそういう扱いだったばかりか、最終的に声無き声すら聞き出した。この作品のキャラは見たまんまの印象を驚くほど裏切らない。
 ちなみにキギキチも前巻からキャラ紹介と4コマの中だけで活かされていた設定が本編に組み込まれたりしている。

 前巻で要所要所に登場し、凛に好意を見せていた圭司も再び登場するが、彼の方はヒナと違って押しが弱い。前巻の4コマでも凛に貢ぐものの、何故か本人にはバレないようにやっていたという本末転倒っぷりを晒していた辺りからもうお察しだったかも知れないが、彼はこの方面だとヘタレだ。
 現状だと凛が意識してないので勝負ですら無いのだが、将来的には透明と何かしら白黒付けるのだろうか。

四天王以降の段位と今後について
 1巻の段位一覧だと四天王からは段位認定条件が伏せてあるし、結局2巻でも明確な説明は無かったが、流れを見た感じではその段位の保有者が後任として認めればいいようだ。まあ黒子以降は定員があるんだから、打ち負かされるか認めるしか無いわな。恐らく残る段位の月仙と白影も根本の条件は同じだろう。

 その月仙2名と頂点白影は未登場のままだったわけだが、更に続刊があるとしたらこの3人の話と、追加で圭司にもっとフォーカスしたり、時折存在に触れられこそするが結局未登場の凛の親父、後は連盟トップ層に来るらしい依頼の話で完結かな?依頼話の尺は未知数だが、長引くとしても4巻目までに収まりそうだな。
 そもそも次巻があるのか良く分からないものの、具体的な終わり方が見えてくると寂しいものだ。まあかなり気に入っているので、出るなら出るで買うし是非出て欲しいが。