考察感想:アイドルマスター ミリオンライブ! Blooming Clover(マオウ版) 第2巻限定版

特典CD

 2巻は星梨花と海美でカバー曲。デュエットの「Do-Dai」、星梨花の「フラワーガール」、海美の「スマイル体操」。

 今回もぴったりな曲を持ってきている。ただ個人的にはあんまり愛着のある曲ではなかったので、今回はあまり引っかからなかった。まあ好みの話。

 加えて26分のボイスドラマ。題目は「まつりのお姫様ゲーム」。キャストは可奈、志保、星梨花、海美、まつり、雪歩の6名で、つまり王様ゲーム。時系列は2巻終了直後。
 前回よりも方向性がハッキリしており、大分遊びがあるシナリオになっていていい。

 あとAS使うのは意外だった。やっぱりこっちのASはミリシタと違って、劇場には公演の時以外基本的に通っていないらしい。ただミリオンスターズたちのことはかなり気にかけているようだ。

特記事項

志保の家庭環境
 本作で初めて詳細に語られた。

 志保が8歳(約6年前)の頃、大好きだった父が突如蒸発。その理由は志保が母に追求しなかったため一切不明。衣類などを乱暴に漁ったような描写があるので、荷物をまとめて出ていったのはほぼ間違いない。

 程なくして母が働きだしており、家計に余裕がなくなった描写もあるため、別居や夫側に非があっての正式な離婚、といったよくあるパターンではなさそうだ。

 母が就職し、弟の保育園通いも始まり、環境的に追い詰められていった志保は、自立を強く意識するようになる。家事や弟の世話を全面的にこなすようになり、ついには中学生の身で給与を得るためにアイドルの道に入った。

 中学生らしからぬ張り詰めた人間性はこの背景から形成されている。ある程度はグリマスとかの描写で伺えた話だけど、詳細に描写されたら思ったより過酷だった。
 あと、グリマスで親愛度を上げるとPを父代わりに見るような台詞を発してた気がするんだけど、あれもまた、思った以上に重たい愛がこもっていたのでは…。

プロデューサーの性格
 いい加減さしか感じない風貌だったが、寧ろ規則や決め事といった、プロ意識が問われる箇所はかなり重視するタイプだと分かってきた。ただし、真剣な提案に対しては、それらに抵触するような事柄でも無理をしてくれる人物。

 一言でまとめると、レベル高い。ライブのタイムスケジュール変更をあっさり通している(後に始末書を出しているので正規の手続きではない)ので、プロデューサーとして発言力もしっかりあるようだ。
 アイドルたちからも、好かれていることが伺える描写が少しずつ出てきたので安心した。

青羽美咲、白石紬、桜守歌織
 今回で続々登場。紬は転校、歌織は転職の手続きによって合流が遅延していたという。美咲は単純に劇場側の事務員の必要性に後から気づいたっぽい…?どうやって回していたんだろう…。

 キャラクター的な印象は、後から来たことを除けばミリシタと相違ない。後から来たという点も、信号機以外のアイドルはまだ目立った活躍をしていないので、それ程大きな差でもない。

シグナル
 可奈がやってくる以前から結成されていた、未来、静香、翼のユニット。志保がリーダー。39プロジェクト最初のユニット。

 名称の由来は、代表的なアイドルを3人並べると、属性のカラーリングが信号機の配色になるという、アイマスの定形要素からだろう(グリマスだと未来と静香が同属性で信号機にならないんだけど…)。確かゲッサンでのユニット名は、ヨーグルトぽむぽむとか色々案は出たものの、結局決まっていなかったと思う。まさかこんな淡白な名前になるとは。

 完全に軌道に乗っている成功ユニットという扱いなので、話のメインではなく、先発ユニットとして後発ユニットとの引き合いに用いるのだろう。彼女らがメインの話はゲッサンで既にやっているので、見たい場合はそっちを読んでねという感じが激しくある。

 志保と静香が張り合っているのはこの世界でも同じで、特にこちらの静香は既に成功者となっているため、志保の中の対抗意識は特別高くなっているようだ。

トライスタービジョン
 2巻で結成された新ユニットその1。琴葉、恵美、エレナの3名。
 グリマスから存在するユニットなので馴染み深いと思う。これはこれで、ミリマスの信号機の一つと扱う人もいる。

 定番の3人組として名前は知られているが、専用曲が実際に出されるなどの大きな展開をしたことはない。かくいう信号機組もゲッサンから初のトリオ専用曲が出たため、そちらの動きに期待してもいいのか。琴葉の収録を余計に増やす余裕があるかはちょっとまだ怪しい段階には思えるが…。

ダブルエース
 新ユニットその2。奈緒と美奈子。
 これもまたとりわけ仲が良く、特に根本的な気質が噛み合う2人の組み合わせ。
 名前の由来はちょっと分からない。なんだろ?意味が無いとは思えないんだが、見えてこない。あれか、グリマスを掘り返しまくったら分かるのか…。

Clover
 新ユニットその3。可奈、志保、星梨花、海美。この漫画の中核となる独自ユニット。

 同年代であり、伸び代と未熟さが入り混じった可奈志保星梨花を、年上かつ身体能力の優れた海美が引っ張っていく形を想定した組み合わせ。

あぶれたアイドルたち
 今回でユニットが組まれなかったアイドルたちは、後からやってきた歌織と紬の教育を行い、いずれまたユニット構築を行うとのこと。

 この件は、実際に作中でやるのかはちょっとわからないな…。このコミカライズの役目はCloverの行く末を描ききることであり、最短ならそこで完結だから、これより後に出てくるユニットを扱う余地が果たしてあるかどうか。
 あるなら、曲も出るからやってほしいけど。

3ユニットの初陣
 劇場の中ではなく、近隣のショッピングモールを会場にライブを行う。
 …なんか劇場版とか、デレマスアニメとかで見たような構造の会場なんだけど、大丈夫かなこれ…不吉だ。もうすぐ梅雨とか言ってるし、志保が倒れた時は雷雲が立ち込めてたし…。

可奈の憧れ
 可奈の一番の憧れの対象は何故か媒体によって異なっており、劇場版ではアイドルとして春香を見ており、ゲームでは歌い手として千早を見ている。マオウの可奈は春香の方に意識を向けていた。

 劇場版は春香が中核になる話なので春香を見ており、グリマスミリシタは単純に歌繋がりで千早を見ていたと思われるが、BCで春香に憧れているのはどこから来たんだろう?可奈だけじゃなくて、志保たちも含めての成長を描く話だから、スタンダードなアイドルとしてのイメージが強い春香の方に意識を向けさせた?千早だとどうしても可奈に特化しちゃうからな。

海美の姉
 写真だけで軽く登場。憧れの姉。海美は彼女のように、姉役としてCloverを引っ張っていくことを誓う。
 バレエが上手いのは姉の方、みたいな話は聞くけど、今回で詳しい素性が分かることはなかった。3巻以降で語られるかな?

北沢陸(きたざわ りく)
 志保の弟。幼稚園児。グリマスの頃から存在は仄めかされており、ミリシタのShooting Starsカードでは後ろ姿だけ登場していたが、今回で名前、顔、台詞共に正式に登場。
 志保の8歳当時の回想で「生まれて間もない」と言われているので、当時0歳として現在5歳か。

 サッカーボールをプレゼントされて喜んでいるくらいの描写しかないので、今のところはごく平均的な幼稚園児。志保の性格は彼女に負荷が大きくかかる家庭環境に由来したものなので、弟の方に癖がある可能性は低い。

次巻予告:出撃!アイドルヒーローズ
 巻末の次巻予告枠がまるまるこれで埋まっていた。脈絡がなさすぎるのでもちろん嘘予告。百合子と紗代子が激突するシーンが描かれているけど、作中の2人はまだ、特撮の仕事にお呼びが掛かるほど名が売れてない。

 あと、これのお陰で通常の次巻予告がないから、3巻で起こることはコミックス上じゃ一切予測できないぞ!ふざけた引きにしておいて、思いっきりシリアスにしてくる気だったりするのかな…。

総評

 今回は1巻と逆だった。選曲が単純に個人的にさほど好みでなかったため、CD側の印象は薄くなったが、漫画は新情報や独自色が出てきて楽しめるようになってきた。
 特に、この漫画以上に濃いアイドルの身内話とかはそうそうやらなそうなので、この辺が引き続き楽しみ。