特別版
ラストということで、見て分かるレベルの全力投球。あんまり数を用意できない、みたいな話が公式に出ていた気がするが、これだけの質量なら納得である。
画集
目次もページ数も記載がないのでよくわからないが、100Pは下らない大ボリューム。
主な収録内容は以下。全体的に、本編後に読むのを推奨。
- 各種カラーイラスト
- キャラ設定画
- ミリオンラジオ取材漫画(再録?)
- 1話没ネーム全編
- 各話没ネーム
- 本編後日談漫画「君との明日を願うから」
CD
未来、静香、翼の新曲「君との明日を願うから」と、瑞希、恵美、美也、桃子、まつりのカバー曲「私はアイドル♥」の2曲。
「君との明日を願うから」は、ミリオン初の看板娘トリオ専用曲。団体曲を3人バージョンに変更してリリースした曲はあるけど、初めからこの3人用で作られた曲は実はまだだった。その第一弾がこんな希少性MAXの媒体になるとは…。
3人のキャラ性よりは、作中の状況を一番に出した内容。語彙力ないから簡潔に済ますけど、いい曲。欲を言えばヨーグルトぽむぽむ名義とかで、3人の特色全開な曲も聴けたらもっと良かったが、これでも十分。
特記事項
本編で気になったところ。
カメラマン
早坂そら。今回で初登場。クレッシェンドブルーのライブシーンと、限定版おまけ漫画の撮影会に登場。出番は少ないが、静香の大躍進させ、武道館出場までこぎつける決め手を作った重要人物になっている。
この件、彼女が誰を印象的に撮るかが大きな分岐点だったとも取れるわけで、麗華さんと茜ちゃんが武道館に殴り込んで全然テイストが違う流れに吹っ飛んでいく世界すらあったかも知れない…。その辺を考えるとちょっと面白い。
個人的に、原作内の765との関係性がよくわからない人物。営業では同行してるのではと思えるレベルで登場してくるし、いつかのエイプリルフールイベントでは、アイドルデビューさせる打診が入ったこともあるらしいが…。
少なくともこの漫画内だと765の専属とかではないらしい。言動が終始外部の人間のものなので。ただ、静香の一件以来強めのコネクションが出来つつあるのは伺える。いずれはゲームと同じような感じになるのだろう。
しかし彼女だけでなく、雨によって踵を返した観客すら捉えた曲、何だったんだろう?ユニットの主軸であるFloodingかShooting Starが真っ先に浮かぶが、この2つは冒頭から歌唱で畳み掛けるような曲ではない。曲の構成を替えてよりキャッチーな出だしに仕上げたか、別の曲だったと思われる。多分後者。
灰島
新人武道館企画の女性プロデューサー。選ばれた大型新人達に大きなチャンスをもたらす代わりに、甘えや綻びは切り捨てるスパルタ方針。
関わり難いオーラが強めの人物になっているが、言うことは言い、やることはやるというシンプルな動きをしている。舵を取る立場としてはまあ優秀な人物。
いくら設備と権限があるとは言え、あの仕掛けを急遽手配するのってとんでもなく骨が折れただろうしな…。しかもリハではテストしなかったというおまけ付き。
765のプロデューサーに対し、「思ったより曲者かも」という感想を抱いているが、彼がまさか765の全アイドルをプロデュースしていることまでは掴んでいないのか、あるいは彼女自身も描写以上の強者なのか…。
門倉
武道館ライブのライバルアイドル。静香を嫌な角度で揺さぶったあと、彼女の大仕掛けにまんまと一杯食わされる…やったことはそれでほぼすべてなので、可愛いけどちょっとだけ嫌な子、という結論しか出せない残念なチョイ役の子。ライバルキャラっぽく腰を据えたセリフは、相方のロコ感があるヘアスタイルの子に全部言われちゃってるのも同情を誘う。
もっと話が続けば2人共面白いサブキャラに育ちそうなので、この点は残念。
プロデューサーの顔
これまでずっと影や遮蔽物、コマ枠はみ出しで隠され続けてきたが、最後の最後で大公開。顔隠しはアイマス的には普遍的な表現だったので、てっきりそういうデザインのプロデューサーだと思って、突然の素顔公開に驚き。
つまり、顔が見えなかったのはキャラデザの一環ではなくて、シナリオ的に意味を持つ演出だったということ。
彼は春香達先輩組のプロデュースを既に大成功させている超エリートであり、新人である未来たちとは目線が大きく異なっていた。彼女らからすると「何考えてるかよく分からない」とか、「本命は先輩達で、シアター組に大きな思い入れはないのでは」といった、潜在的な不安による隔たりが存在し、その象徴が顔の秘匿だったのかもしれない。未来が語った夢をすべて受け止め、「俺は未来のプロデューサー」と宣言したところで影が晴れたので、そんなところなのかなあと。
スマホRPG
杏奈と百合子がやっていた謎ゲー。タイトルは分からないが、この世界でのリリィナイトなのは明らか。
スマホながらかなり激しい操作をするアクションRPGで、戦闘内でゲーム内通貨らしきものをガンガン消費する描写のあるデンジャラスなゲーム設計。
「主人公ごとに話が違う」と言ってるので、魔王も使えるに違いない。
総評
本作は静香の身の上を主軸にしたシリアスめの話で展開するという、原作と比べるとだいぶ冒険したシナリオだったのだが、見事に成功したと言える。
が、このクオリティで他の話ももっと見たい…。現状のメディアミックスの中では間違いなく最強格なので、終わったのがひたすらに残念。
アンソロとかスポット的な機会でもいいので、門司先生にはまたどこかで描いて欲しい。