この作品、根本の発想は好きなものの、由紀と太郎丸あたりがはしゃぎ過ぎてるところにちょっと辟易していたのだが、原作は比較的真面目だと聞いたので読んだ。
アニメ版と違うなあと思ったところと、6巻部分の特記事項を書いておく。特記事項はネタバレを考慮しないので注意。
アニメ版との相違点
大体以下の3点。
- キャラ萌えはほとんどキャラデザだけの話で、ストーリー部分の描写が際立つ。
- 大筋は同じだが、細かい展開がかなり違う。太郎丸の存在は事実上アニメオリジナル。
- アニメは序盤をモール編後の話にした後、一端巻き戻っているが、原作の流れは普通に時系列順。
要するに、アニメ版は日常色に特化させているのが分かった。時系列入れ替えて初めから美紀を出したり、太郎丸をレギュラーにねじ込んだり、由紀のボケ言動がガッツリ目につくように作っているところ。
まあ、アニメの尺で無理にシナリオ掘りまくっても限度があり、キャラ押しでも行けることを考えたら妥当なやり口。だが個人的にはちゃんとシリアスしてる原作の方が遥かに良いというか、原作は真面目だと聞かなかったらそもそも何かに手を付けることはなかった。別にアニメを否定することはないけど、こっちの方が合ってる。
アニメを見て、「限界状態のくせに犬がそこら中駆け回ったりで緊張感に欠けすぎる」とか思った人にはおすすめしたい。ゾンビ騒ぎだとか、女子高生が満足に戦えてるだとか、根本的な部分に不服がないなら原作の方は希望がある。
逆に言うとキャラデザ以外は真っ当に殺伐としているという典型的なギャップものなので、他のきらら作品と同じノリで完全にキャラ目当てみたいな場合は少し注意。
特記事項(6巻)
とりあえず6巻で目についたところだけ書いておく。
ワンワンワン放送局
何故かガチガチの砦みたいな家に住みながらも、何故かゆっくりと発症した謎だらけの女性。
ヘリの墜落も不審だったし、免疫が弱いと空気感染するみたいな話なのだろうか。
無視される胡桃
感染を実験薬で治した結果、標的にならなくなったらしい。具体的に何かは分からないが、彼らがそう判断する決定的な何かが無くなった様子。
ただ、この現象が作品を決着させる候補のひとつとして有力なのは間違いない。
るーちゃん
食事を取らず、喋らない。そして発見状況を考えるとあまりにも小奇麗過ぎる。
悠里が由紀と入れ違いでおかしくなりつつあったので、悠里が無機物を妄想で勝手に擬人化している線がほぼ確定的。最初は由紀が置いて行ったくまのぬいぐるみか何かだと思ったが、即座にクロスボウをぶっ放されたのを考えるとそんなに可愛い物じゃない可能性もある。
Kで…
おまけ資料「電波受信記録」のひとつ。このノートの筆者がアルファベットのKと解釈しただけで、本来の意味は美紀の友人の「圭」で間違いないだろう。
とりあえず彼女が呆気無く死ぬことはなかったらしい。ただし、ページ構成から時系列を鑑みるとワンワンワン放送局の件より昔の話。既に状況は相当動いているかも。