漫画感想:夢喰いメリー 第14巻

白儀の過去
 これからの謎。彼は夢路とメリーを深く憎むような過去を持っている。詳細はまださっぱりだが、「かなり大昔の、夢側での話」「夢路やメリーと同じ位置に同じ古傷」「夢魔の瞳の形状がやたらメリーと近い」などと、断片的な情報だけはある。結構深い関係から起こった出来事なのかな?そんな気にはさせる。

夢魔の影響を受ける者
 現界に溢れでた夢魔たち、その影響を受けるのは、これまでに白昼夢などに巻き込まれ、夢魔の影響を受けた経験がある人物だけ。彼らは夢魔が見え、夢魔に襲われる。逆に他の人物は夢魔や夢魔によって生成された物体を見ることが出来ず、また夢魔からも一切の干渉が出来ず、すり抜けてしまう。
 状況だけ文にすると中々孤独な戦いになりそうな設定だが、実際はかなり違う。これまでに夢魔の襲撃沙汰があまりにも起こりすぎているため、大半の登場人物は見える方に位置しているから。夢路のクラスメイトなんて、かつて丸ごと襲われた過去があるから出てくる奴はほぼ対象者。当てはまらなさそうな人物を思い返そうとして、パッと出てくるのは勇魚の親父くらい。

イチマ
 今巻の象徴的な人物。こけしサマナー。正体は1巻に出ていた敵キャラ。友達のいない少女みなとに取り入り、共依存の関係から彼女を乗っ取っていこうとしていたが、メリーによって帰された。
 今回は白儀の影響でそのまま現界に来れたため、乗っ取りの必要性が失われたので敵意なし。それどころか、かつて標的にしたみなとを助けに来る。本当に友達になりたい節も確かにあったらしい。でも特に強くはない。…まあみなととの関係こそ特殊だったが、強さ自体は時期相応の存在だったからしょうがない。

スピカとアルビレオ
 猫仮面の部下たちの2人。どうやら精鋭らしい。ジョン・ドゥは現界だと猫の体で戦いようがないので、白儀戦以降の交戦は全面的に彼女らがこなす。
 また、現界進出はすなわち日常部分への進出であり、ジョン自身も積極的に彼女らを活動させているため、一気にメインキャラクラスの扱いに。先行き次第ではかなり色々ありそうだな…。

総評
 毎回毎回終わりそう終わりそうと勝手に感じつつ、実際は全くそんなことはなく続いてきた印象だったが、もしかしてこれからが折り返し…?そう感じるほど、これまでの積み重ねが全部また動き出す展開を持ってきた。まあかなりの刺激があり、冗長な空気が一気に払拭された非常にいい巻だった。