アニメ感想:Aチャンネル BD第1巻

Aチャンネル 1 【完全生産限定版】 [Blu-ray]Aチャンネル 1 【完全生産限定版】 [Blu-ray]

 今更買った。全6巻及びOVAを全てBD初回版新品で。

 1巻から少しずつ買おうかとも思ったが、最早BD初回版の在庫数は風前の灯火だったため、ダラダラ買うと後悔するような事態になりそうだったため全確保。あと公式ガイドブックも買った。全巻買いは初めてだったが、買ったら買ったで後悔ってパターンではなくて良かった。数ヶ月前に原作買ってからハマりにハマっているのと、特典が豪華なのがデカいな。
 当然、今更騒いでも大した需要は無いが、全巻手元にあるからには早めに見ていって、随時感想を残していきたい。

本編

 一貫した特徴として、副音声にオーディオコメンタリーが収録されている。
 また、各話タイトルには英語タイトルが付いている。1話タイトルでもう分かるだろうが、日本語タイトルの英訳ではなく完全に別タイトルとして付記されている。
 1巻は単純に時期や天候といった大まかな状況を示しているだけだが、後の話は結構捻った題も出てくるから面白い。こっちのほうが主題らしく思えるものも出てくる。タイトルにはこだわって欲しいタイプの私としては満足なセンス。確か原作者本人がやってるんだったかな。

Aチャンネル 第1話「好き -An april day-」

雑感

 原作と同じく1学期初頭から開始。TV版の時金属バットで男子生徒を牽制し、初対面のユー子を唐突に殴る初期トオルにドン引きしたのが懐かしい。確かこれが原因で後の回はまともに視聴しなかった。
 弁当のシーンで思いっきり腹パンぶちかます所が胸アッパーになってる分実は抑えめなのだが、もっとマイルドなら私が原作やら諸々に走るのはもっと早かったと思う。少なくとも凄い遠回り(やすなの言動だけ妙に面白かったのでアニメキルミーを頑張って見る→本編全体と原作にもハマる→カヅホ先生自体にハマる→黒田先生と仲がいいらしい→原作で改めてAチャン見てみる)はある程度簡略化できただろう。
 じっくり見てみると、当時のトオルの心持ちが異様に適切に表現出来ていたり、トオルの隣であるユタカだけでなくミホも先行して登場させているなど、演出から相当な拘りが感じられる。
 オーディオコメンタリーはメイン4人の声優陣がキャラについて語っている。

特記事項

 雑感とは別である程度まとめておきたい要素に触れる。
舞台である高校の名称
 葵ヶ丘高等学校。原作でも受験時代など高校に目を向けるエピソードはちらほらあるが、校名の確定は頑なに避けていたと思う。舞台に関してはユー子の言動で東京のどこかと分かる程度。
 しかしこの校名ってけいおんの「桜ヶ丘」と一字違い植物違いなんだよな。作品構造も掲載誌も関連性が深いところだが、そういう意識の有無は謎だ。

クラス設定
 トオル達が1年7組でるん達は2年4組。原作3巻でもトオルが絵のモデルとしてるん達を求め2-4に行く描写があるので、原作でも共通の模様。ちなみに公式ガイドによると各学年7クラスまであるそうな。

バットの収納場所
 普段掃除用具箱に放り込んでるらしい。まあ原作ではどこであれ1コマで出すものだからあまり関係は無いんだが。

ユー子の両親
 初登場。劇中歌パートの背景キャラ扱いだからセリフはないし、顔とか詳細なデザインは伏せられているが、父親は天然パーマっぽい髪型で、母親は髪を後ろで束ねていることは分かる。また母親は髪質がユー子と全く同じで、トオルやるんと同様に母親似の構図になっていると思われる。

Aチャンネル 第2話「雨の日はお風呂 -As rain fell-」

雑感

 引き続き春。風呂回。湯気は無いけど、TVのそれがどうだったか分からないし、BDでも色気演出の許容範囲は根本的に原作と同程度だが、描写自体は長くて良いと思う。トオルにつつかれてるユー子とか物凄く可愛い。
 オーディオコメンタリーは監督が出演。アニメ化に当たって念頭に置いたことを語っていた。

特記事項

2-4モブ生徒に原作者と当時の担当編集をモデルにした生徒がいる
 ファンブックでも触れられている話。経緯としては監督がこっそり入れたらしい。

他のモブ生徒、校舎の構造、るん達の生活感などは実際の私立高校での取材を元に制作している
 現実に現物が山ほどある現代が舞台であるからには、みっちり取材をすべきだそうな。
 そういえば所謂聖地の存在をどっかで聞いた気がするなあ。校舎じゃなくて通学路の部分だった気がするが。

挿入歌は監督が昔からやりたかったこと
 アニメのクライマックスで挿入歌というシチュエーションが好きらしい。Aチャンネルなら出来ると思って発注したそうだ。
 でも全話でやって、かつ歌に甘んじてセリフ無しというただの歌のコーナーになっていることもある。その場合曲が気に入らなきゃ白けるシーンなわけで、本アニメの話題になると一番賛否が別れる所。監督のこの判断を微妙に思う人もいるだろう。
 私としては、曲としてちゃんと仕上がったキャラソンが大量にリリースできたという結果自体は評価する。本編ではここぞという箇所だけでやって欲しかったけどね。言うこと言っちゃうと2話は流す必要なかった。

特典映像

+Aチャンネル 第1話「制服」

 毎巻入っているらしい新規映像。TVアニメ化範囲外の話がベース。尺は1話2,3分程度。
 1話はプロローグのラスト部分、トオルが高校の制服を用意するページの話。1ページだけで2分の話に出来るって中々凄い気がする。

+Aチャンネル 第2話「いやや」

 ユー子が頑張って時間作って一緒に帰ったら恐怖映画見させられたという罰ゲーム展開の話。
 ユー子ちゃんの記憶の自主改竄は上手くいったようで何よりだ。ちなみにボニョを出すのは流石に不味いと踏んだのか、「謎の赤い鳥ボノ」というかなり当り障りのないキャラクターに変わってた。ちなみにタイトル通り鳥のキャラだが黒田先生とは特に似てない。

ノンクレジットエンディング

 まあそのまんま。OPが無いのは、本作のOPクレジットはアニメーション演出へ完全に組み込まれているため。

AチャンネルTV 第1回,第2回

 主演声優が色々語らうコーナー。確かWeb上で公開してたものの再録だったかな。初めて見たけど。
 構成は 適当な語らい→作中解説→∀チャンネル→番組末テスト→適当な語らい という流れ。合間合間にAチャンネルかるたというアイキャッチが入る。
 番組末テストは作品と無関係で声優興味ない私には面白味なし、Aチャンネルかるたは完全にやっつけ仕事で救いなし、なので私の中ではそれ以外が如何に面白いかにかかっている番組と言える。

 冒頭では当時最新刊の原作2巻を読んでる。…放送当時は物足りないって声も多かったキルミーベイベーは4巻までアニメ化範囲だった(しかも過去に一回お流れになってる)んだが、それを思うとずいぶんな冒険だな。
 まあキルミーは基本的にギャグ一本で、日常要素萌え要素といった継ぎ足しの簡単な描写が少ない(ギャグ要素は伸ばすとただ冗長になってつまらなくなるので、ギャグ自体を増やすしか無くてハードルが高い)から、巻数が倍でも尺稼ぎに苦労したんだろうな。
 それと、原作の4コマを順序逆にして台詞差し替える「∀チャンネル」はこの段階だと結構センスがあって面白かった。これに関してはこの先も期待。

ボーナスディスク

 収録話の挿入歌とエンディング曲のフルバージョン・カラオケバージョンが収録されている。ちなみにBD購入に至った最大の理由はこれ。
 上で触れた話と被るが、本作の挿入歌はキャラソンとしては模範的な良曲だ。作中の展開やキャラの雰囲気が活かされており、それで何度も聴けるようなクオリティなのはかなりデカい。どっちか欠けてるキャラソン (誰が歌ってるんだか全く検討が付かなかったり、作詞あたりのセンスが微妙だったりする。特に後者は何度も聴くにはキツい。)は結構多い。
 1巻の収録曲は以下の3曲。ちなみにこの巻は全てメイン4人がボーカルの曲。

ハミングガール(るん、トオル、ナギ、ユー子)
 ED曲。OP担当は作中キャラではなく河野マリナ氏だし、シングルで別にリリースされているので未収録。

はるかぜの化学(るん、トオル、ナギ、ユー子)
 1話挿入歌。かなりいい曲で登場も最初なのでよく支持されているのを見た。

Start(るん、トオル、ナギ、ユー子)
 2話挿入歌。英語タイトルと単語のチョイスから何となく勢いを感じるタイトルなんだが実際はそうでもない落ち着いた曲。まあ使用箇所が雨の日だしなあ。