漫画感想:ハナヤマタ 第1巻~第5巻

ハナヤマタ (1) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)ハナヤマタ (5) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)ハナヤマタ (5) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)

 アニメから希望を見い出したので買った。特記事項はネタバレを含むので注意。

概要・感想

 大雑把に言えば女の子が部活作ってまでよさこいする作品だが、5巻まではよさこいそのものより準備部分がメインで、人集め・練習・衣装作りあたりが中心。
 一部キャラの勧誘は結構ピリピリした展開が多いが、そんなに後を引くようなことはしてこないので問題ない。少年漫画とかでもあるような普通のレベル。

よさこいについて

 前述で準備部分がメインと言った点を差し引いても、変に意識しなくていいと思う。
 まず、いきなり踏み込んだことはしてこない。作者自身よさこいは本作に関わり始めてから調べ始めたらしく、作中人物も大体同程度の知識レベルから走り出す。
 またやってることも大分別物で、「和風のイメージが先行した創作ダンス」程度の位置づけになっている。曲も女子中学生らしくナウい*1らしかったり、踊るのも道よりステージが多かったり。
 当然よさこいを全く知らなくても平気だし、逆に現実の先入観は重ねない方が良い。相応に別物。

総評

 女の子同士の青春ものとして見るのが妥当。結構百合寄りだと思うが、今の所その辺をどう感じるかは人それぞれの領域か。
 まあ題材に惑わされず普通の部活ストーリーを期待して見れば楽しめるものだと思う。アニメからこの辺を察して買ったので面白かった。来月の6巻も楽しみ。

アニメと比べて

 これといってカットも改変もなく結構忠実。少なくとも要点は全部拾ってるので大きな齟齬は感じない。アニメ4話時点で2巻後半まで消化。上でも触れたが最新5巻に大きな一区切りがあるので、そこまでやるのだと思う。アニメ最終話からそのまま原作6巻に移っても平気なくらいの互換性になるかも?

 3話冒頭の黒服コントは原作該当回の扉絵が元だったりして、ネタの取り込みについても凝っている印象。あとアニメの方が百合描写がやや強調気味に思える。ヤヤちゃん周りとか結構描写が入念。
 あとついでに特徴的な目の形状について触れておくが、原作でも上のほうが尖り気味だけどアニメほどではないため気にならない。ここまでの放送で慣れているなら平気だと思う。

特記事項

 内容の理解を深めておくため、目についたところをまとめる。アニメ版で発覚した内容なども合わせて。
 重ねて言うがこの先は明確なネタバレが含まれるので注意。

用語など

ハナヤマタ
 アニメの方の感想記事でも言った記憶があるが、よさこい部員の下の名前の頭文字を繋げた単語と見られる。
 関わるのが一番最後のマチがタミより先という順序と、生成されたこの単語自体に意味合いがあるかなどは不明。なにせ5巻時点じゃこの単語は本編中に出てこないから。恐らく出てくるなら、部名とは別のチーム名あたりの案にでもになるのだと思うが。アニメのCMとかじゃそういう扱いだし。
 まあ大区切りがある5巻まで触れられていない以上、この件はアニメ版の本編でも触れずじまいの可能性がある。

私立由比浜学園中学校
 舞台となる学校名。中高一貫の女子校。きらら系列のキャラは小学生体型の高校生がザラなためよく間違えられるが、彼女らは中学生。

 部活動は中学にしてはかなり自由。まず無所属生徒がゴロゴロいる(現実の中学は所属が強制、或いは当然という空気のところも結構ある)し、部員と顧問が揃えば新規作成すら可能。しかも申請時に活動内容を明示する行程が見当たらず(少なくとも申請書には記入欄がない)、部費や活動場所の許可もあっさり降りる様子。目立った制約は「部員4名と顧問が必須」と「掛け持ち禁止」という程度。
 その自由度の一端として「恋愛研究部」「戦車部」「けいおん部」「ろうきゅうぶ」「ていきゅう部」「学校アイドル研究部」が記述通りの正式名称で元々立ち上がっている描写が確認できる。得体が知れないような知れすぎているようなラインナップ。まあ一応付け加えると大半が設定未満の一発ギャグだと思う*2し、勿論普通の部名の方が多いけど。
 しかし序盤の彼女たちはとにかく部の立ち上げに四苦八苦するわけだが、こういう目線だと贅沢な悩みなのかもしれない。

Need Cool Quality(通称にくきゅう)
 ヤヤと友人3人が立ち上げていたバンドグループ。名称が出たのはアニメ公式ページが初?「ハナヤマタ」同様に本編で見聞きした記憶が無い。
 主な活動場所は学校の音楽室だしメンバーも在学生だが、実は部活ではなくプライベートの集まり。明確な発言もある。なのでヤヤが(部の掛け持ちが禁止なのに)よさこい部設立メンバーになったことと、後述の結末の2点に校則や体裁における問題はない。当然顧問も登場しない。

 本筋の裏側で着々と活動していたものの、オーディション落選を切っ掛けにあっけなく解散。中学生がオーディションで落ちるなんて普通の事だと思うが、元々モチベーションが落ちて来ていた他メンバーが潮時と判断するには十分だった様子。
 アニメ1話では「コドクシグナル」という挿入歌が彼女らの持ち歌として登場。CDもシングルで出る。一種のかませ感すら抱かせる位置づけを考えたら破格の扱いだと思う。ただ、何となくバンド解散時のヤヤを思わせる微妙な不吉さがある曲名だけど…。

登場人物

関谷なる
 主人公。ハナヤマタのナ。2年生。恥ずかしい台詞担当。
 基本は赤面しまくりのうじうじキャラだが、徐々に我と牽引力を積極的に出すようになる。そして同時期から同性にモテるように。しかもハナ相手だとヒロインだったり、タミ相手だと王子様だったり、立ち位置も自在。その様は「空っぽならばいくらでも詰め込める」というハナの言い分を裏付けるかのよう。発揮する箇所が変だけど。
 実家は剣道場らしく、彼女自身模造刀で剣術をするシーンがあるが、初期に僅かに見せたきり全く登場しなくなる。あまり強調すると「かつては何も取り柄がなかった」「運動音痴」といった設定に説得力がなくなるせいか。でもあからさまな死に設定にするとも思えないので、後々再登場するのかも。剣の舞とか?いや集団での踊りには向かないけど。

ハナ・N・フォンテーンスタンド
 よさこい部部長、アメリカ産よさこい怪人。2年生。同世代だが幼女担当。ハナヤマタのハ…「名前が『ハナ』だから、『ナ』のなるちゃん喰われてね?」と思ってはいけない。
 初期は超人的・怪奇的な印象が強いが、なるを引き込んでからは存外普通の人に。ギャップもあって、弱みや女の子らしさが他より目立つかも。
 それにしてもなんだかすごそうな苗字。「フォンテーン」はテキトーに調べた限りだと「噴水」「水源」といった源泉的な意味合いが見られる。

笹目ヤヤ
 ハナヤマタのヤ。2年生。ツンデレ担当。実家は蕎麦屋。
 学友とバンドをしていたが、彼女らが挫折感を抱いたことで1人置いて行かれるように解散。彼女の攻略にはそんなダークな事象が背景に据えられるため、作中でも特に不穏な流れ。攻略は後半に来るキャラだが、加入自体は初期から登場して前倒しで済ませているため、絡みに不足はない。
 なると、何かを上手くこなして輝いている自分自身が好きらしい。努力家で学業優秀なのもこれが所以か。…なるシスト?
 今の所登場はしていないが、ハナと同程度の体格の弟がいるらしい。4-2笹目の表記の付いた服が出てくるので、小学4年以降の歳と思われる。あとヤヤ同様、数字の88で語呂合わせ出来る名前…?

西御門多美(タミ)
 おっとりお嬢様。ハナヤマタのタ。3年生。生徒会副会長。巨乳担当。
 ファザコンから百合に覚醒した異端の者。ファザコンについては廃業したのか不明だが、少なくとも覚醒以降は鳴りを潜めるようになる。ちなみにアニメ4話のラストに百合の花が出てくるのはアニメオリジナル。百合は彼女の好きな花ではあるが、花言葉は「威厳」「純潔」「無垢」あたりだそうなので当時の状況とは特に関係ない。つまり一番妥当な解釈は…大した思い切りだ。

常盤真智(マチ)
 生徒会長。ハナヤマタのマ。3年生。エリート担当?中高一貫校だが、他所の高校に進学希望のため勉強中。
 加入が5名の内最後な上、従来の接点もタミだけ*3だったため出番が圧倒的に少ない。こうして人物像を書き綴るにはちょっと早いかも。今の所大まかな箇所はヤヤと被る所が多め。
 初期は突っかかる系の接点ばかりなためキツめな印象がヤヤ以上だが、それらは校則などへの抵触が前提にあっての言動。立場上甘くないだけであって嫌な性格ではない。

常盤沙里(サリー先生)
 よさこい部顧問。真智の姉。テコ入れ担当。いい加減な態度が多いけど根は真面目で優秀な人。
 序盤やアニメ公式の記述ではサリー先生名義が基本で、真智との血縁は明確な種明かしが来るまで隠し球だった。言われてみると真智と実に似ているのだが、名前の語感にいまいち繋がりが感じられないし、アニメのキャラページだと勝と同列だったのもあって根本的に意識が行かなかった。

大船勝(アニキ)
 よさこいショップ「YOSAKOI『勝』」店長。33才独身。便利屋担当。マサルだけどハナヤマタのマではない…筈だ。
 ハナ達に協力的な黒服スキンヘッドおじさん。どうやらサリー先生が気になる様子。その辺のやり取りは結構引っ張られているので、ひょっとしたら今後本格的にくっついていくかも?読者受けとかも関わりそうな問題だし先行きは謎。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で
  1. アニメ版では曲の正体が本作のOP曲だと判明している。 []
  2. 実際、アニメ9話の同シーンではひらがな表記の部がちゃんとした漢字表記に変更された。戦車部などはそのまま登場したが。 []
  3. 厳密には先生もだが、そちらはシナリオの関係上機能していなかった。 []