漫画感想:Aチャンネル 第5巻

 ゲーマーズの通販で今日届いた。とらのあなで経験済みだから覚悟してたが、やっぱり特典ショップ系通販予約は待つのが辛い。

ゲーマーズ購入特典

 カバー裏のイラストをカラーにしたかけかえカバー。ちなみに5巻の背表紙はトオルが載っているが、かけかえカバーだとミホになっている。

Ach5-GAMERS1Ach5-GAMERS2

特記事項

カバー裏
 おなじみ(2巻だけ例外だが)表紙絵の差分着替えで、今回は上記通りメイド服。ミホなんかはゴスロリのほうが更に似合いそうだけど、3巻でナギがやってるからチョイスの候補には無かっただろうな。
 裏表紙はこれまでで一番簡素だな。今回ペーパー以外に描き下ろし特典が無かったのも相まって、正直なんだか余裕が無さそうな印象が。あまりまわりで連載2つになったし、Aチャンネル以外の仕事が見るからに増えてるからなあ。喜ばしいことではあるんだが。

描きおろしカラーページ
 今回はユタカとミホが出会い、今のような仲になるまでを描いた話。
 細かい時期は不明だが、会話内容から2年目か3年目の出会いだったようだ。4巻のユタカ引っ越し回に「中学から一番時間を共有したのはユタカ」ってミホのセリフがあるから、そう言えるくらいの時間が取れる2年目前半あたりが妥当か。あとこれは推測材料になるか分からないけど、ユタカは既に胸が相当あるね…。

 2人の中学時代のデザインは引っ越し回でもチラッと出ていたが、今回はより鮮明に描かれている。特にユタカのメガネは今回でようやく、テストで満点取った回のメガネが過去のメガネとどう違ったのかが確認できる。新メガネはレンズ下部にフレームが付いていたが、中学時代はナギのようにリムレス系のメガネだったようだ。
 もっとも4巻回想のメガネは既に後者の見た目。単にモノクロページでも当時のユタカはメガネ掛けてたとハッキリ分かる描き方を取ったのか、テスト回のメガネとはまた色などが違うのか。

猫入り鍋
 野良と思われた猫を後ですぐ使う鍋に入れて持ってくるって、トオルとの仲とはいえ凄い神経だな…。この猫の名前も凄かったけど。

OG鬼頭
 鎌手先生は違う感じだったけど、鬼頭先生は葵ヶ丘生だったんだな。実に真っ直ぐな人生を歩んでいるようで。
 後の話でトチ狂って着てるのもひょっとすると自前のものだろうか。

トオルのデートプラン
 大掛かりなシステムのフローチャートみたいになってる…。滅茶苦茶綿密に書くネタ自体は(結局なるようになるのとセットで)陳腐だけど、ロール紙に分岐付きで作られると流石に珍しいな。
 あとスーツ着てるトオルはミラかくの泥沼くん思い出す。あっちも近々発売だから楽しみ。

ヒラちゃん
 ついにナギユー子と正式に顔合わせ。メイン全員と面識ができたことで、今後さらに色々な展開が期待できるな。
 またキャラ付けもより固められ、るんより思考が危険なことが強調されてきた。エア約束とか言ってた辺りからそういう気配はあったが…。
 るんはたまに演技でボケて一杯食わせに来ることがあるけど(この巻で頻度が上がってきた気がする)、ヒラちゃんのボケは裏表皆無な感じが。

 しかし桃の旬って甘めの見積もりで6~9月らしいな(厳密だと7~8月)。今時は無視できる要素だろうけど、大量の貰い物ということなので、そういう手合とはあまり思えない。あと次の話で夏服に切り替わってるし、純粋に旬の前半辺りの時期に思える。でもハロウィンより後の話してる。
 これまではアニメ版みたく季節で並べ替えたら一本道にできそうな展開をしていた(要するに重複や矛盾がない)ように思っていたけど、そうでもないのかな?

ユー子沖縄旅行
 2度目の夏休みと海と日焼けユー子。これらもヒラちゃんの方と時間面で似た空気が。
 でも夏休み後半の出来事だったってわざわざ強調されてるし、原作だと明確に2学期初頭とされる話はやってなかった(ユー子の日焼けが残ってないと矛盾する話が無い)から、実はそうでもなかった。皆がケイ子を知ってる風な会話内容だったのと、ユー子がまた水着買ってるのが精々気になるが、これらはまあどうとでも言えるし。

時系列について
 うだうだ書いてしまったので、どう展開していると見えるかまとめておくか。こういうのって連載の進行で変わる可能性があるけど、今現在までは下みたいな感じだと思う。
1.キャラット本誌での掲載時期に季節を合わせる。当時の流行なども使えるネタなら取り入れる。
2.進級などはせず最初の年を延々と繰り返すが、全く同じ時間は2度迎えない。
 ・夏休みとハロウィンは2回やっているが、夏休みは前半と後半、ハロウィンは数日前と当日とで別物にされている。
3.後に掲載された話ほど(作中時間的に)新しい。
 ・季節が巻き戻っても、体験、成長、人間関係といった後に続く要素は巻き戻らない。ただし回想など前後が重視される話は別。

 恐らくこの3ルールがそれとなく設けられており、上ほど優先されていると思われる。1は確実、2も夏休みの件でより確信が持てた。
 3の存在はハッキリ断言まではできないものの、「この季節にこのキャラとは面識が無いはず」とか意味なく難解になっちゃうのを回避する目的で入ってると思う。
 これらの性質をよりメジャーな作品で例えると「名探偵コナン」あたりがかなり近いか。あれは同じ時間迎えてそうな気もするけど。

ケータイがスマホに
 5巻中だとるん、トオル、ヒラちゃんがケータイを取り出すシーンがある(るんはAch通信)が、3人共スマホに移行していた。特に言及とかはなくこっそりと。
 ケータイは女子高生の象徴的な節があるためか、TVアニメだとかなり存在が強調されていたアイテム。また放映当時はスマホ黎明期で、今ほどの普及はまだ想像が付きにくい段階だったらしい。そういうところも踏まえると中々感慨深いものがある。

 もっとも私が気づかなかっただけで、4巻までにもう切り替わっていたかもしれない。なので一応裏を取る。
 見てみると、ケイ子の顔合わせ回でユー子がスマホにも見える物体を取り出していた。が、蝶番らしき描き込みがあるので畳んだ状態のフィーチャーフォンだと思われる。使いかけて止めるというシーンなため開かずに持っていても自然。
 それ以外のケータイ描写は全部明らかにフィーチャーフォンで、件のトオルも同様だった。やはり5巻掲載分から移行が始まっているようだ。

 他のキャラはどうなったんだろ。るんとヒラちゃんが既に意外だし、学生組は漏れ無く機種変(或いは差し替え)したのかな?
 どっちがキャラに合うかって前に、現実的にフィーチャーフォン使いの若者が減ってるからなあ。リアリティの観点で決めるなら断然スマホだろう。あと描きやすさの都合もかなりデカいよね。

あとがき
 まさかの胸ネタ禁止令話題の続き。作者自身はこれが滅茶苦茶堪えたらしい。5巻掲載分ではまだだが、キャラット100号で盛大に解禁されたのだそうだ。私も100号の時は久々にキャラットを読んだが、道理であんな内容だったわけだ。

 しかし解禁に持っていったのは当時もう一人いた別担当のK村さんだそうで、発端であるメガネのD担当は清楚なAチャンネルのほうがいいという意見で変わらない様子。好きに描かせろ!と思う人もいそうだが、これはこれである程度正しい意見だと思う。

 理由を言うと、エロネタは確実に需要があるけど、4コマとして質が落ちる危険性が凄く高い。色気って見栄えはいいけど笑いにゃ中々繋がらないんだよね。
 槍玉に上がってる胸ネタなんてほぼサイズがデカいか小さいかの弄りしかできないし、笑わせるとなると結構な発想力や変態性が必要になってくる。上手く笑いがとれても空気が変わりすぎたり。そんな調子になると純粋にこれまでを好んでいた読者が離れる可能性はある。
 まあこれは推測を並べただけで、正直に意見すればエロい方がいい。4コマとしての体面はある程度保って欲しいけどね。