漫画感想:トコの長い午後 第1話「プレゼントと蝉の声」

トコの長い午後|コミックダンガン
 止まった時間の世界に閉じ込められた女子高生を描くSFミステリーらしい。

 導入部分の流れや独特の孤独感からは「ターン」っていう小説を思い出す。内容全然違うけど(あっちはループものだし)。

 回想部分を始めとして、やたら時間経過や本来他愛もないような描写が綿密に描かれている。これはやはり、今後拾い直すレベルで重要な情報が隠されているということだろうな。特筆できるレベルに至っている事柄をひと通り書いてみよう。

・あのまま転落したと思わしき状況で始まったが、一切のダメージが無かった。
 これだけだと夢オチとか死後の世界とか嫌な真実の線が出ちゃう。
 でも他の特記事項のお陰で、そういうオチの可能性は大分低くなっている。良かった。

・ボールのようなものに尾行されていた。
・時間が明らかに数十分単位で乱れたが、トコ以外は認識できていない。
・トコ以外の一般人は停止世界で動けない。
 最後は覆りそうだが、とにかく何か特別な身の上を持ってる可能性が高い。家族と疎遠になったらしいのも似たような原因から来てるのかも。

・航太と落ち合う直前、物思いに耽るシーンで何か違和感を感じている。
 丁度その時背景が海中みたいになってたわけだが、恐らくこれはセンチな気分を演出してたとかじゃなくて、本当にこういう光景になっていたんだと思う。蝉の声が描かれているから少なくとも妄想空間ではない筈。

・停止前、他人と手を触れ合う描写が極めて明確に描かれている。
 航太以外の会話した相手全員と物理的に接触している。しかも航太に至ってはたまたまそうなったわけではなく、あからさまに接触を回避した形になっている。
 今のところ最も何かありそうなポイント。あるとしたら、時間がおかしくなるトリガーだったか、事前に触れてた人間はトコ同様に動けるとかそういう路線かなあ。

・腕時計の文字盤が異様。
 ラストの展開もこれがきっかけだし、凄く曰くがありそう。でも故障じゃないのに嫌になって捨てる程度の思い入れしかないみたいだから、ただの微妙に悪趣味な時計かも。

・停止の数秒前に大地震が始まったはずなのに、全員素の状態で停止している。
 「日本だから」で片付けてもいいが、2人以外総ノーリアクションなのはいくらなんでもおかしい。描写を見る限り、ビル屋上だけでなく地上も相当に揺れている。
 地震で落下するトコを見下ろしている状態で航太が止まっている以上、無かったことになったりしたとは思えないが・・・。
 人為的なものだとかで、恐ろしく局所的なものだったのだろうか。でもティーカップこぼれてるんだよな。

・警官の倒れ方がおかしい。
 というより、倒れたのがおかしい。素人の考えだが、少なくとも警官を取り巻く重力や空気が動き出さないとあり得ないのではないか。
 トコにそういう影響力があるのか?彼女を取り巻くその2つは絶対に正常だろうしな。でも、ツッコミが野暮な演出な可能性も。

 まあ取り敢えず、興味はかなり湧く。来月の2話を楽しみにしておこう。