漫画感想:ジョジョリオン 第9巻「長男・東方常敏」

 常敏からフルーツの情報を引き出す作戦、その続き。

ムシキング
 前巻次回予告の常秀の「グロ注意」発言は、編集サイドが適当に作ったコラ台詞か何かだと思っていたが、マジで言ってた。そういう奴だからしょうがないか。
 それにしても、試合ごとに虫のアゴや足を接着剤で修復してたけど、その場凌ぎにしたってちぎれた足がまともに治るのかな…。まあこのシリーズのダメージは見た目の割にいつの間にかあっさり完治しちゃうものが多いから、虫もまた意外となんとかなってしまうのかもしれない。

常敏の能力
 触れた箇所の温度を急激に上げる能力。直接触れた箇所だけでなく、筆やティッシュなどを介して間接的に触れても効く。特にティッシュの方のくだりは興味深い。適用箇所の細かい制御と、意図したタイミングからジワジワと発熱させることが出来ないと実現できない筈。根本が地味な分、制御力がとことん高いのかもしれない。まあ勿論、現状が能力の全貌だとは限らないのだが。特にこの現象の「熱源」と言える存在がまだ具体的に目撃されていないのが何となく気になる。スタンドのビジョン自体は出ていたし、発動させた箇所がそのまま熱源なのだという可能性も高いが。

 取り敢えず今のところは、まともに能力を使い合えば定助の方に分がある様子。常敏の狙った箇所を発熱させる力より、ソフト&ウェットがその熱を奪う力のほうが優先されている。

定助達の狙い
 どうやって情報を引き出すのかは非常に謎だったが、なんと常敏をカッとさせて、彼の愛車ランボルギーニを賭けさせるのが答えだった。ランボルギーニのドライブレコーダーを康穂のスタンドで調べれば詳細な足跡がわかり、常敏とフルーツの接点が浮上してくるだろうという目論見。

 これはつまり、「自分の父はクワガタ勝負で車くらい普通に賭けちゃう」という認識がつるぎにあったということだが…いいのかそんな親父で。まあ通常はそもそも負けないのだろうけど。いやそういう問題じゃないか。

常敏の認識
 定助が何か別のものを奪うためにクワガタ勝負をけしかけていたことに気づき、彼に対して外敵へのそれに近い警戒を抱いた様子。常秀の追い出し提案に「うむ!」と快諾するほど。
 常秀はただのアホなことがみんな判ってるから、彼が定助憎しな言動を取ってもあまり大事にはならなかったが、影響力と秘密を抱えている常敏が同じ姿勢で来ると話は違ってくる。ゆくゆくは決定的な対立に至り、常秀も含めて定助の脅威となってくるかも知れない。この時「定助の素性を調べる心当たりがある」とも言っているので、全てはそれ次第か。

きっとヤバい男
 康穂が解析した動画にて登場。常敏と取引らしきことをしていた、フルーツの鉢植えを持った男。なんとなく川尻浩作チックな人相。

 その取り引きは何故か路上、それも信号待ちしている車上での事なので、特定の場所を使いたがらないヤバい男らしい。でも誰に目をつけられることで「ヤバい」ことになっているのかは不明。フルーツ単体で言ったら、明らかに警察がどうこうするような案件じゃない。あの憲助ですら存在を知らなかったフルーツを一般人が追ってるとは思えない。誰が彼の敵なんだろう。