アニメ感想:失われた未来を求めて 第12話(最終話)「君のいる未来」

 奏達はゆいのことを奇跡的に忘れきっておらず、きっとこの時間軸でもゆいは奏の手で生み出されるだろうというオチ (ラストに出ている進路希望のプリントはかなり見づらく描かれているが、量子学関連に全振りの内容になっている。)。うーん、まあここらが限界か。
 未来側でも改変の影響が及んで佳織が目覚めたようだが、事故そのものはなかったことになってないし、高校時代側のラストと繋がる気配は殆どないな。この先もっと大きく修正が入って本格的に合流するのか、佳織に関する出来事以外は完全に別の世界として歩むのか、まあこれに関してはどっちでも大差ないな。どっちでも高校時代側の奏達の将来が縛られることは無いから。

 良く言えば含みが大きく、悪く言えばかなり想像任せな幕引きかな。私的にはもうちょっとハッキリ描いて欲しかったというのが正直なところ。ゆいちゃんが消えたまんま終了っていうのは残念だしなあ。そもそも「ヒロインは消えっぱなしで、復活は主人公がおっさんになる頃」って原作媒体的にはちょっと考え難いオチだから、多分元の終わりとは相当違う流れなんだろうな…。

 しかし一方で、地味に多い登場人物を満遍なく大事にしている節が強い締め方でもあった。未来にも出てたPC研だけでなく、映研やサバゲー部やらの様子もエピローグ的な位置付けの文化祭で多かれ少なかれ描かれたし、東ちゃんも内浜症候群の解決によりちゃんと助かっていたし。ちょいちょい出てきてたアイドルちゃんも主題歌声優キャラとはいえここに来て結構な重要人物に昇華されて驚いた。この辺もあって「いい加減なオチ」という印象はある程度緩和されたかな。寧ろ描写された部分だけに限った話であればかなり丁寧なのかもしれない。…丁寧過ぎてちゃんとした締めにする尺が無くなった感も否めんが。

 オチがかなりの微妙どころで、もうちょっとゆいちゃんを幸せに…と言いたくなる内容ではあったが、キャラが意外によく描かれているし、ほぼ日常回な3~8話あたりも後から見てみたら所々に重要なやり取りが埋まっていたりもして、ハマり出すと結構キリがなくて面白い作品だった。
 あと主題歌もOPED共に良かった。私的には曲としての良さも本編との親和性も申し分なしだと思う。